純血犬種を繋いでゆくということ

先日届いたJKC(ジャパンケネルクラブ)の会報誌にて、JKCが今年創立75周年を迎えることを知った。
巻頭で林 良博氏(国立科学博物館顧問)が寄稿されていたコラムが秀逸というか、溜飲が下がるというか、((うまく言えないけどそんな感じ))だった。タイトルは『犬種維持の大切さと、ドッグショー』。なぜ人と犬が共生していくうえで純血種を守り維持することが重要なのか、それには正しい知識を持ったブリーダーや飼い主の存在が必要不可欠であること、意図して量産されるミックス犬の危険性、などを説いている。

純血種とは
純血種とは4代祖以上安定して同じ姿形をした健全な個体を生みだし、今後もその維持が可能と認められて初めてFCI(国際畜犬連盟)に申請登録することができる。
そのために一体どれほどの数の犬とその愛好家有志の協力が必要だろうか。健康上もちろん近親ではできないし、繁殖に使える個体は骨格構成および性質も考慮されるのだ。うちの子は健康なオスとメスだからと繁殖を考えるものでもない。すべての犬が繁殖向き個体なわけではない。純血種の維持とは人が生み出す知識の結晶でもある。

 
今ちょうどオーストラリアンラブラドゥードゥルが犬種認定のために有志の方々が頑張っておられる。日本の協会のホームページをちらりとのぞき見しただけで分かる、どれほどの管理体制を敷き、勉強と努力を重ねながら繁殖に挑んでいるか。
新しい犬種が生まれる課程をリアルタイムで見られる。実は度々チェックして楽しんでいる。

勘違いしないで欲しい大切なこと。今ミックス犬を家族として一緒に暮らしている方を非難するものではない。大切に可愛がっているさまを端から見て心が和むのにミックスも純血種もない。どうかこの話でミックス犬飼いの人は無駄に傷つかないで欲しい。

だがしかし、裏を知らない人々につけこむ拝金主義者はいなくならない。少しでもいいから「こんなこと書いてたやつがいたな」というのを頭の片隅にでも置いておいて欲しい。すべての命を尊いと扱う人ばかりではない、純血種を作った長年の苦労が薄れて万一雑種犬ばかりになってしまった時、戦後の雑種犬たちがどんな扱いをうけていたかを省みれば、そこにある未来は容易に想像できるはずだ。

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