謙虚でマッチョな女の子

Olive を亡くした後 私はしばらく腑抜けのようになり、時間さえあれば Oliveを生み出した犬舎〜 Nani’s や Colsidex の犬を見まくって過ごしていました。そんな中、Facebookにとても好みのワイマラナーを載せている人を見つけたのです。どうやらその人は現役のブリーダーのようだったので、さっそく簡単な自己紹介とともに友だち申請を送ったのです。『あなたの作る犬はいいね。私もワイマラナーを飼っているの』と。

ほどなく返事が返ってきました。『ありがとう。olivelagoon.com を見たよ。ワイマラナーをとても大切にしているのが分かる。望むなら、犬を譲ってもいいよ』と。
私はただお友達になりたいだけだったのですが、よく考えれば子犬が生まれているブリーダーにそんなメッセージを送ったらそう捉えられても無理はありません。

ただ、その時はOliveを亡くしてまだ2,3ヶ月。Snowyも健在だし、今すぐには考えられない、1年後くらいにはもしかしたら状況は変わるかもしれないけど。とお返事しました。

 

そして1年後−。
律儀にもそのブリーダーは「ブリードプランがあるけどどうですか」とメッセージをくれました。あの時丁重にお断りしたつもりになっていた私は内心(え〜・・)と思ったのですが、交配予定の両親犬の血統書を見せてもらった瞬間衝撃が。(これは・・・!もう1度がんばってみるか・・・!!)と決意したのでした。単純でしょ。

そしてわたしは運良く別件を絡ませ、子犬が生まれた1ヶ月後にブリーダーの住む東欧の国、ポーランドまで行くことができました。

ネットでやりとりしているだけの外国人のところへ行くとか、乗り継ぎ空港のフランクフルトでチェコの人と待ち合わせて別の子犬を受け取ったり、なかなかハードルの高いひとり旅でしたよ。わたし、義務教育に加え駅前留学NOVAに通った経験はありますが、英語が堪能でもなんでもないんですよ。そう考えると度胸だけはすごいでしょう?
本当は、子犬を選ぶのだったらもうひと月半遅かったら有り難かったんですけど、これ以上贅沢は言うまい、なかなか経験できない良いチャンスをいただいたと思っています。ほんとヨ。


子犬を見て選ぶというのは、とても大切です。メスは2頭だったのですが、実際に歩かせてみて私は写真だけだったら絶対に選ばない方を選びました。『うちの冠を背負ってショードッグとして国外に出すなら』というブリーダーも同じ意見でした。

(生後3ヶ月の頃)
いくらネットが普及し世界のハードルが低くなったとは言え、海外で犬を購入するというのは大変なことです。オーストラリアなどの一部狂犬病清浄国以外は、入国までに狂犬病予防接種を受けてから抗体ができているかのテストを期間をあけて2回パスしている必要があり、日本は世界的に見てもそのチェックはかなり厳しいと言われています。最低でも約10ヶ月。その期間、大切な子犬を預かってもらい、互いに信頼して繊細にことを進める必要があるんです。

(生後5ヶ月)
私はブリーダーに、名付け親になってくれと依頼しました。最低でも10ヶ月間は一緒にいるのです。少しでも多くの愛着を持って欲しい、との思いでした。それと、名前って考え出したらキリがないんです。名は体を表す〜というから、どうしてもとびきりのものをと考え込んでしまう。でもね、逆も然り。その生きざまが、その名を作ってゆけば良いのだと。

ブリーダーには「どうせならポリッシュ(ポーランド語)らしい名前にしてね」とだけオーダーしていましたが、何個か候補にあがった名前はどれもなんかこぅ・・英語か北斗の拳か、みたいなものが多かったんです。
最後に『ディアナ』はどうか。と、提案されました。ハンターでもある彼らしく、狩りの女神の名だと言うのです。実はそれもピンとは来なかったんですけど、依頼しておいてこれ以上 否というのもひどいなと思ったのでここらで手を打つことに。

(生後6ヶ月)
私が選んだ子犬は標準よりも小さめだから、しばらくしたら内臓のチェックをして問題がないか確認する、とブリーダーは言いました。が、6ヶ月経って送られてきた写真には堂々としたムチムチちゃんが写っていました。・・・本当に。この月齢にしては素晴らしくムチムチちゃんが。

ブリードプランを聞いてから約1年半〜ポーランドで会ってから約1年。入国までのやりとりは噂どおり大変でしたが、皆の協力のもとなんとかクリア。

さて、これが日本に来た当日のスタックです。ビクビクですが、記念にどうぞ。

あ、左のフレンチ、ベイジーちゃんは、私がフランクフルトでチェコの人から受け取った子。1年の時を経て、ディアナと一緒に日本にやってきました。

これは、我が家に来て半月くらいの頃の写真だったと思います。1歳にしてはお行儀をわきまえている・・・イタズラをしない、物わかりが良い。ワイマラナー病でしょうか、物足りない。

だけれども、死ぬほどビクビク。家人の一挙手一投足にオドオド。・・・こんなにこの月齢に類を見ないくらい美しく隆々とした体つきなのに、心はアリンコかい?というほどに。ワイマラナー病でしょうか、改善点があると嬉しいのは。

 

その後。
わたしだけを主人と認めるのに半年。そのほかの家族を身内だと容認するのに1年半くらいかかったと思います。

「向いていない」
わたしはこの言葉が嫌いです。さも客観的に見たかのように、諦めを正当化する言葉として使われる気がするのです。ここまで人にビクビクする犬、知らない人にたくさん見られたり触られるドッグショーに立ち向かい、どれだけショー会場で挙動不審になったか。私とディアナのペアも冗談めかして身内友人からよく言われたからかな。(ショー関係者から言われたことはありませんけどね)

最初から努力なしでそつなくできる方が、不自然なんですよ。晴れ舞台に立つ者は、見えないところでたくさん努力しています。「向いてない」なんて言葉に逃げずに。

2019年3月。我が家に来てから3年半経ちました。時間はかかりましたがどうです、リングでもお立ち台でも堂々と振る舞う、立派なショードッグになりましたよ。



FCI International Beauty Champion, Japan Champion. Diana Carski Trakt FCI

call name : Diana 2014.5.11
股関節形成不全検査:股関節/優良 肘関節/正常 [証明はOFAのページに掲載
高尿酸尿症/高尿酸血症:陰性[証明書

Pedigree of Diana Carski Trakt
INT CH, JAPCH

Diana Carski Trakt

AUSTCH, LUXJCH, PLJCH, PLCH

Ghostwind The Lions Pride

CANCH, AUSTCH

Rosewin Ghostwind Turn Up The Heat

USGCH, USCH

Bzyfeet American Idol

USCH

Silversmith Ethan Allen

JH, NSD

USCH

Valmar Bzyfeet Good Luck Charm

CANGCH, USCH

Graytsky Ansons Royal Flush Blush

CD

CANCH, USCH

Ashmore’s Win’Weim Royal Flush

JH, BROM

USCH

Graytsky’s Stellaluna

BROM

AUSTSUPCH

Ghostwind U Have My Numba

ET

USCH, CANCH, AUSTGRCH

Graytsky’s Smokin’ In Havanna

CANCH, USCH

Ashmore’s Win’Weim Royal Flush

JH, BROM

USCH

Graytsky’s Stellaluna

BROM

AUSTGRCH

Ghostwind Picture Perfect

Ghostwind Wild Wispas
AUSTCH

Ghostwind Vivien Leigh

PLCH

Weimaranus Jewel In The Crown

DUTCHCH, LUXCH, PLCH, USCH

Nani’s Clay Pigeon

JH, SD, WW-12, W-09

USGCH, USCH

Bzyfeet American Idol

USCH

Silversmith Ethan Allen

JH, NSD

USCH

Valmar Bzyfeet Good Luck Charm

USCH

Nani’s Sophisticated Lady

MH, NA, NAJ, SDX, NRD, VX

USCH

Nani’s Indecent Exposure

JH, NAJ, CGC, V, BROM, HOF

USCH

Nani’s Jagmar Sweet Dividends

VCD2, CDX, TD, MH, MX, MXJ, NRD, NSD, VX4, BROM

PLCH, PLJCH

Everlasting Greyness Weimaranus Duma Kazana

SV-02, SVCH

Greydove Nordic Liaison

AUSTCH, USCH

Nani N Greydove Milenium Bug

Greydove Chantilly Lace

PLCH

Bianka Imperium Star

KBHV-98, MONCH

Nani’s James Robert

PLCH
Argenteus Brave Strong Lady
This pedigree was generated by https://www.weimaranerpedigrees.com

【Dianaの血統図】
Dianaの先祖には、世界中のハイクオリティワイマラナーブリーダーに知られる名が連ねられています。かつて私がショーを始めた頃「こんな犬を目標にしよう」と、アメリカのショー専門誌から切り抜いた犬が Bzyfeet American Idol(Clay)、今回いろいろなところでワイマラナーを探し始めて、ネットでそのスタックに釘付けになった犬が Ghostwind U Have My Numba (Charli)でした。

※血統図の書式について
犬のブリーディングも日進月歩です。純血種のブリーダーは交配に使う候補犬のDNA検査、股関節の検査などを事前に行い、先天性遺伝疾患を子孫に継がせない努力ができるようになりました。ディアナをきっかけに世界中のブリーダーとコミュニケーションをとっていきたいという思いから、彼女はワイマラナーペディグリーデータベースに登録しています。上の血統図書式はそちらのものを使わせてもらっています。より詳しいディアナのページはこちらをご覧ください。[The Weimaraner Pedigree database – Diana Carski Trakt ]