訓練開始

保護した当初、自分が誰のものになろうが、どこに連れて行かれようが、何も関心がないと言った風情でボーッとしていたドーベルマンのピクルス君。
預かり2ヶ月を超え、懸念していた事柄が徐々に出てきましたよ。

鎖に繋がれっぱなしではない生活、ほぼ終日人間と同じスペースにいられて、自分の意志で歩き回ることが出来る。興味のあるものには近づける。ー満たされた生活。
人間で言えば、大学デビューでしょうかw
ここ最近は散歩ですれ違う小型犬に声を出して襲撃態勢に入ることも少なくないようになりました。調子に乗って、ワガママになってきているのが手に取るように分かります。

「ナルホド、1ヶ月前と目つきが違いますね」
一瞥した訓練士の感想。

ピクルスは里親募集中ですが、条件に「大型犬飼育経験者、訓練経験者(どっちかひとつでもいい)」と書き添えた途端、問い合わせが激減しているんです。最悪のケース、我が家での終生飼育の可能性を考慮して1ヶ月ほど前から信頼できる訓練士さんに相談を入れていました。


まず、簡単なテスト〜ハンドターゲット〜で意思疎通の確認。
『集中力がすぐに切れる = ワガママ = 満たされすぎな生活』
犬は自分の都合のよいように勘違いしやすい生き物です。満たされた生活が悪いわけではありませんが、その環境は「気の向くときだけ言うこときいたげるわ」という関係に陥りやすい。本来は小型犬でもよくないことだと私は思いますが、人間の力で制御できない大型犬にはあってはならない状態だと考えています。子犬の頃から溢れるほど愛情を注がれ、人間との間に血縁に近い完璧な信頼関係を築いた経験のないピクルスの場合は、愛情に加えて主従関係の構築が近道のようです。ーよい家庭犬になるために。
運良くよい里親さんが見つかっても、これはやっておいて無駄になることではない。そう判断し、訓練士さんに指導を仰ぎながらピクルスに訓練を入れることにしました。

…と、言っても、まずは初歩の初歩からです。我が家はリビングから犬専用の部屋までは1部屋半ほどをまたぐ距離ですが、リビングで「ハウス」と指示を出して自分のハウス(バリケン)まで自分で歩いて入り、指示があるまで出ない、ということが当面の練習です。覚えは早いです、さすがドーベルマン!と拍手を送りたくなるほど。
続いて日中でもピクルスにはバリケンに入っている時間を設けること。いきなりたくさんの自由時間を与えすぎたのはよくなかったということでした。

競技会やテレビで見るおりこうさんな犬たち。最初からそうだったわけではありません。その犬がどれだけ時間と労力をかけられているかがそのコの能力にある程度比例しているのです。

私をはじめ愛犬家が陥りやすいのは「愛犬のためだと思ってやってあげていることがその犬を駄犬にしてしまう」こと。自分が何をしてあげたいか。ではなく「今この犬に何が必要か」で見る目を失わないように。


↓写真は厄日すぎるピクルス。

ドーベルマン

訓練士さんチームにかわいがられるだけのラッキースノーウィ。

ワイマラナー

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