Olive~プライドが高くて愛情深い、最高の犬 

2000年2月26日。伊丹空港まで迎えに行きました。
空港の荷物受取所で私と対面したこのコは「うぅ〜ウゥ〜」と、高い声で不満を洩らしていました。

やっと家へ連れて帰れる—
幸せな気持ちで胸がいっぱいになりながら運転する私の気持ちとは反対に、いきなり親兄弟から引き離され、自分だけ訳の分からない渡航をしていることに、後部座席でずぅっと不満を言っていました。
写真はその当時くらいのもの。月齢3ヶ月経つか、経たないかくらいです。やっと新しい家を受け入れ始めた頃です。

ワクチンの決められた回数が終わるまでお散歩目的の外出は禁止ですよね。この写真は4ヶ月くらいだったと思います。外に連れ出す日を夢見て、似合いそうなリードやカラーを買いあさっていました。


 

いきなり5歳のOlive(^^;
完全に立派な大人のワイマラナーです。出産も経験しました。Oliveにとって、もう住むところはどこでもいいのです。私のいる所=Oliveの家になりました。
Oliveが多くの犬に引き合わせてくれました。その中で多くの大型犬にも出逢い、大型犬が本当に美しいのは筋肉も出来上がり、胸幅も出てくる4〜5歳だな・と私は実感するようになりました。Oliveもまた、この当時は毎日見ている私でさえ時々はっとするほど美しい姿で立ちました。

5歳ともなれば、性格形成も完了します。
私は昔、姉妹のように暮らしていた雑種犬と同じようにOliveに接したつもりですが、ワイマラナーの個性でしょうか。元来高い知能は人間のような反応を示し、深く考え、自分なりに答えを見つけようとします。気に入らなければ主張し、目的のためには人間を動かす方法を考えます。スネると、いけないと分かっていることをワザとします。加えて極度の分離不安です。
姿形は犬なのに、人間と同じ扱い・考え方を好む—これって実は相当大変なことになるんですよね。
私は、Oliveの変えがたい基本的な性格はそのまま受け入れ、Oliveにとって逆にストレスになる可能性のあることは改善に乗り出しました。
『ルールを守るからこそ心が自由になれる』そんなことをOliveに体験させるのを忘れていたことに気づいたのです。


そして10歳半現在のOlive(2010.5.撮影)。
顔に白髪が目立ち始めた今、私がOliveに「こうして欲しい」と思うことはもう何もありません。
一緒に生活しているのですから、気に病むことが0になったと言えば嘘になりますが、少なくともそれをOliveだけのせいにしなくなりました。

飼う前に読んだ本にこんなことが書いてありました。
『ワイマラナーは、あなたが望んだ通りの犬に仕上げることができる』
正直、ワイマラナーは簡単な犬ではありません。このキャッチコピーが安易に受け取られ、お金さえ工面できれば美しい犬との素敵な生活が待っている!と思われると、おそらくひどい目に遭います。

ただ確かにOliveは私のしたいことを喜んで一緒にがんばってくれました。
DogShow然り。遠方へのオフ会然り。。マナーの練習も。
私の欲によく付き合ってくれました。
時間がかかったけど、10年経った今だからこそ言えます。
『Oliveは、私の望んだとおりの犬だった』と。

Oliveは2013年1月31日、月の綺麗な夜にその天寿を全うしました。最期まで気高い犬でしたその日のブログ

Japan Champion. Betty Blue of Twins Aquarian Jp

call name : olive 1999.12.31 – 2013.1.31

SIRE|SUPER SONIC’S HUMPHREYAPPLAUSE OF KINGDOM JPCH(AM)/94
NANI’S SANBAR RUMORS A FLY’N JH (AKC)
NANI’S BLESSING IN DISGUISE (AKC)
CECIL OF SUNDAY MAGIC JPINT.CH, CH(AM)/94
*COLSIDEX FREE N EASY (AKC)
CH/93
*MARGARET HAWEL OF KINGDOM JP
DAM |ACTRESS OF SMOKE FREE JP CH/95.2
*CRAIN OF SUNDAY MAGIC JP
INT.CH, CH(AM)/94
*COLSIDEX FREE N EASY (AKC)
CH/93
*MARGARET HAWEL OF KINGDOM JP
WEIMAR LAND JP ELEGANCE ROLLER CH(AM)/93
*SARRICO’S SILVER BREEZE (AKC)
BLACK FOREST DANCER V KREUZ (AKC)

【Oliveの血統図】
Oliveはリンデン(菩提樹)という名の母親から生まれました。Oliveはリンデンと瞳がよく似ています。大きな黒い目、成犬になっても薄いブルーアイを受け継ぎ、ワイマラナーにしてはクリクリお目々な所がチャームポイントです。
リンデンのお里では「Nani’sの血を受け継ぐ犬をブリードさせてもらえることが最高に光栄」とおっしゃっていました。写真でしか見たことはありませんが、確かに Nani’sの犬もOliveと同じ瞳をしていました。

※血統証明書の読み方
Oliveの血統名は「Betty Blue」。
何回か繁殖させる犬舎では、1回目が「A」、2回目が「B」から始める名前・とすることが多いのです。つまり、Oliveはこの犬舎(Twins Aquarian)で2回めのブリードの子、を意味しているかと思われます。
名前の前についている「*」印は種犬認定犬のマークです。チャンピオンをとった犬には取得が義務づけられていました。OliveがCHを完成した2003年は、ちょうど種犬認定からDNA登録への移行時期だったので、彼女は両方の手続きを済ませています。