ショートヘアードとロングヘアード

たまにはこんな話も。

ワイマラナーの原産国は、ご存知のとおりドイツです。ドーベルマンもそうなのですが、本国ドイツではがっちりもっちりした体が好まれているようです。本来の作業(ワイマラナー=狩猟/ドーベル=ガードドッグ)をこなせる体型がベストである、ということなのでしょうね。
一方 現在日本国内にいるショートヘアードの半数以上は、アメリカタイプです。アメリカのワイマラナーはドイツとはまったく違います。「よりスタイリッシュに、よりシャープに都会的に・・・」というスタイルが好まれました。
国によって好まれる傾向が違い、そういった要素を強くもつ犬でラインブリードされ、その国のワイマラナーができていくのです。

我が家の1頭めを飼い始めた10年前、ちょうどネットが一般的になり出した頃です。全国の数少ないワイマラナー飼いと肩を寄せ合い、お互いに情報交流することが喜びでした。あの頃から比べると、かなり一般的になりましたよね。

さて、ロングヘアードワイマラナーです。ショートヘアードのあのツルツル感が受け入れられない人もロングヘアードなら大丈夫。普通の犬みたいにモフモフで犬らしい。モフモフはかわいい。JKCに認可されたのはほんの数年前なのに、この増えようはそういった一般的な感覚の方々に受け入れられたからに違いない!と私は思っています。
「JKCに認可されたのは数年前」。そうなのです。ロングヘアードはもともと、呼び方は悪いですが劣勢遺伝なのです。ラインブリードをしていても、本当にごくまれに、ロングヘアードが生まれていました。するとどうするか?ちょっと衝撃的な話ですが…ブリーダーは殺していました。これは現在はどうなっているのか分かりませんし聞きたくもないことですが、AKC(アメリカのケンネルクラブ)では、現在もロングヘアードを認めていません。

では、日本国内にいるロングヘアードはどこからきたのか?答えはオーストラリアです。さきほど、ショートヘアードの半数以上はアメリカタイプと書きました。残りの半数はオーストラリアです。ドイツとアメリカも違いますが、オーストラリアも微妙に違います。オーストラリアの場合は国内に入れている犬舎が限られているから…という考え方もありますが、お顔、体つきである程度分かるから不思議です。また、ショートヘアードでも少し毛脚が長いように感じるコがいるんですよね。これはいろいろと考えていくとおもしろいですね。

『劣性遺伝』と書きましたが、ロングヘアードが健康的問題がある、という意味ではありません。ショートであろうがロングであろうが、それによって健康かそうでないかが決まるわけではないようです。

ただ最近、時々恐ろしいことがあります。「この犬はキャリーだから交配する」というお声を聞くともなしに聞いてしまうことです。繁殖には様々な価値観があり、それを私の価値観で否定するわけではありませんが、事実 隆々とした筋肉、大きくて堂々たる美しいワイマラナーが国内に於いて少なくなってきているのは悲しいことです。

最初「ロングは珍しいから日本に入れたら売れる!」と入れたブリーダーはプロ中のプロです。ラインのこともしっかり考えて増やしているはずですが、お客様に出す際にもしかしたら、説明不足なこともあったのかなぁ と感じずにはいられません。

ワイマラナーを愛するいち飼い主として、きちんと愛犬を飼って、そしてショートもロングも、いつまでもこの素敵な犬種の血が受け継がれていけばいいな・と思います。

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